甘い蜜



麻理亜は、俺のために色々してくれている。だから俺は今まで倒れずにやってこれたんだ。
これからも、きっと俺が倒れることはないだろう。逆に麻理亜が倒れてしまわないか心配だ。


「麻理亜」

「何?」

「いつもありがとうな」


ケーキをつついていた麻理亜は、フォークを動かすのを止めて俺をみた。


「いきなり、どうしたの」

「別に」

「?」

「ただ、忙しくなったらこうやって呑気に話してる時間なんてなくなるだろ?」


何時まで忙しいかわからないから。


きっと朝と昼、ぐらいしか話せなくなると思うし、夜の営みなんかもってのほかだろう。………いろんな意味で苦痛だな。



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