甘い蜜
敬夜さんは迷うことなく中に入っていく。
「いらっしゃいませ」
中に入った私達を迎えてくれたのは綺麗な女の人。左胸につけられている名前は東条。
敬夜さんは、軽く挨拶をすると、東条さんの前に私を突き出した。
「こいつにドレスを」
「え?」
「かしこまりました」
ニコッと東条さんは笑みを浮かべると、私を連れて奥へ向かう。私は肩越しに敬夜さんを見るけれど、敬夜さんは薄く笑って私を見送る。
一体、何なの……
「それでは、着替えましょうか」
東条さんは、私に向き直ると綺麗な笑みを浮かべた。