甘い蜜
全体にキラキラしたものが散らばっている。
綺麗、確かに綺麗だけれど……
「私に、これはちょっと……」
これを自分が着ると思うとちょっと、否、かなり気が引ける。
「どうしてです?きっと似合いますよ」
「否……」
「さぁ着替えましょう」
東条さんは私に有無を言わせない、と満面の笑みを私に向ける。その笑みが、葛城さんの笑みと被って見えたのは私の気のせいだろうか……
何だか、遠い目をしてしまった。そんな中でも東条さんはサクサク動いている。何だか楽しそうだ。
その全てが葛城さんに思えて、私は溜め息をついた。