甘い蜜
物凄く恥ずかしい。
そう思う私には気づかず、東条さんは私を衣装部屋から出す。
「お待たせしました」
それから、敬夜さんの元へ。
敬夜さんは、東条さんの呼びかけに視線をこちらに向ける。
う……視線が痛い……
じっと敬夜さんが見つめてくるので何だか居心地の悪さを感じて下を向いてしまう。
「麻理亜」
名前を呼ばれたら下を向いてるわけにもいかず、チラッと少しだけ顔を上げて目だけで敬夜さんを見ると、優しい笑みを向けていた。
「うん、似合ってる」
「………っ」
「でしょう?流石ですね」
「ありがとう」