甘い蜜
ググッと距離を縮められた。
目の前には敬夜さんの綺麗な顔が視界を埋め尽くしていて、少しでも動いてしまえば唇が触れ合いそう。
バクバクと心臓が破裂するんじゃないかってくらいに脈打っている。
「な、何……?」
「そろそろ、子供が欲しい」
ニコッと笑いながら、敬夜さんは爆弾発言をする。
「こ、子供?」
「そう……子供嫌いか?」
そう聞かれたら、嫌いではない、と答えるけど………
「嫌い?」
「っ……嫌いじゃない」
なんでそんな寂しそうな顔……反則。
赤面しているとふっと視界が暗くなった。次いで唇に感じる違う熱。
「麻理亜と同じ誕生日ってのもいいかもな」
「無理だから……」