甘い蜜

┗伝えたかった心




―――――伝えたかった心。


俺は、人生でこんなに誰かを好きになったのは初めてだと思う。


比較的のんびりとした休み時間の教室。俺は机に突っ伏してうとうとしていた。本当英語は地獄だ………つか、日本人なんだから日本語完璧にマスターすればいいじゃないか………外国に住むわけでもあるまいし。


ブツブツ文句を一人で言っていると可笑しな人に見られてしまうかもしれないから心の中に留めておく。


俺は、両腕を枕代わりにしながら、首だけを横に向けた。
席はまばらに埋まっていて、視界は開けている。


その視線の先には、今は空席の席。


そこには、最近よく学校に来るようになった女子の席。


………山内 麻理亜の席。


「っ………」


山内 麻理亜と心の中で呟いただけで動悸が速くなる。


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