甘い蜜
会話の中に俺の名前が出てきて思わず肩を震わせる。どうした?と由に問われ、何でもないと首を振る。
「………へぇ」
「はぁ……全くもう少し関心を持たなきゃ」
興味無しの反応に俺はがっかりしてしまう。でも仕方ないよな……何せ話したこともないただのクラスメイトなんだから……
改めて、伝わらない想いなんだ、と痛感してしまう。行動しない俺も俺だが。
「そいえば、どこ行ってたの」
「………裏庭」
「え?屋上や準備室じゃなくて?」
「桜」
キッと軽く武沢を睨む山内さんに武沢はニヤリと笑う。
「いいじゃない。別に」
「………ギャップすごすぎ」
「クスクス……裏庭にはなんで?」
サボリに?と武沢が聞くと山内さんは首を振る。