甘い蜜
「また?」
驚いた武沢によくわかったねと山内さんは頷く。武沢は苦笑しながら山内さんの机に頬杖をつく。
「相変わらずだね」
「………でも、ちゃんと言ったし」
「私が言った通りに?」
二人の会話で、なんとなく由の言った高嶺の花は、山内さんなんだと確定した。
薄々気づいていたけど・・・由も好きだったのか。
初めて知った真実だった。
武沢の言葉に頷く山内さんに、由に言った言葉は武沢が与えた知識なんだと納得した。我知らず安堵する。
「貴女とあの人が言った通りにした」
………あの人?
「私はびっくりしたよ」
「そう?」
「でもさ、演技でボケするよりはっきり言った方が楽でしょう?」
………はっきり言った方が…?