甘い蜜
┗そばにいて
――――そばにいて
異変に気づいたのは俺だった。
「ん……熱……?」
隣がやけに熱く感じる。季節的に熱さを感じるものでなく、逆に寒さを感じるはずだ。
寝ていた俺は、目を覚まし、傍らを見る。
「………麻理亜?」
すやすやといつもなら寝ているはずの麻理亜。
しかし、今日は、苦しそうに顔を歪めている。呼吸も辛そうで、吐き出される息も熱い。
俺は、麻理亜の額に手を当てる。伝わってくる麻理亜の体温は、熱い。
すると麻理亜は、ん、と軽く身じろぎをした後にゆったりと目を開ける。