甘い蜜
やっぱり麻理亜が煎れてくれる珈琲が一番だと改めて思った。
「大丈夫、俺風邪なんて滅多にひかない」
「でも、分からないよ」
昨日あのまま寝てたでしょう?
麻理亜は、しゅんっと下を向く。どうやら、昨日のあれを気にしているみたいだ。
「いつの間にか寝てたのは俺の非だ」
気にすることはない、と安心させてやるようにいう。
「でも………もしかしたら、だから……」
麻理亜は、俺に席に着くように言うと台所に行く。言われた通りにすると、麻理亜は、お盆を持って現れる。
「風邪をひかないように……」
もし引いてても、悪くならないようにと朝でも重くない体に良い朝食が並べられた。