甘い蜜
「………葛城さん、強いんだね」
「もしかしたら、俺より偉いかもな。まぁ、だから気にするな・・・俺は、楽しかったぞ」
楽しかった、なんて悪いかもしれないが、本当の事だった。
普段見れない麻理亜も見られたし。会社も休めたしな。
「………」
「俺が、風邪引いたら麻理亜が面倒看てくれるだろ?」
「当たり前だよ」
「それと一緒」
だから、気にするな。
早く治ってよかったんだから。
な?と言ってやると、麻理亜は、うん、と頷く。
俺は、それを見てからそうだ、と思いついたことを口にした。
「そうだな……俺が風邪引いたときも、薬は口移しがいいな」
「っ……?!」
「宜しく」
ニコッと笑ってやると、麻理亜は逆に真っ青になったのだった。
―END―