甘い蜜
怪しいから開けられない、と麻理亜は言う。その意見に俺も同意した。
得体が知れない、今すぐにでもそのまま捨ててしまいたいが、開けてみたいという僅かな好奇心もある。
ドキドキと違う意味で心臓が脈を打つ。
恐る恐る封筒を開く。
中には一つ折りにされた硬い紙質の手紙が一枚。
ゴクンと生唾を飲んで、それを開く。
「………は?」
「?………あ、」
それを見た瞬間、俺はガクッと肩を落とした。
どうしたのかと麻理亜も見て、口を開ける。
――――今日、夕方6時までに来てね。貴方達のお母様より
母さんの悪ふざけか……