甘い蜜
「そこで着替えてこい」
洋服屋は一杯ある。試着室を使えばいい。
「あ……うん」
「俺はちょっと用事を思い出した。少し離れるけどお前はここにいろよ?」
絶対離れるな、と言うと麻理亜は頷く。それを確認してから俺は麻理亜から離れた。
向かう先は先程のアクセサリー店。
男一人で入るのは気が引けたが、さっさと目的の品を取ってレジに向かう。
「いらっしゃいませ」
「プレゼント用に包装を頼む」
「彼女にですか?」
にこやらに笑う店員。
彼女……彼女か。
「……そうだ」
「分かりました。少々おまちください。」