甘い蜜
逆に俺は麻理亜の姿に驚く。
先程秀司の店で買った奴だが、試着の時とは違うものを着ていたから。
シンプルなワンピースだったが、落ち着いた感じの麻理亜にはよく似合っていた。
「敬夜さん?」
「あ、あぁ……行くか」
思わず見とれていたなんて言えないな。
俺は内心で苦笑しながら車の方へと歩き出した。
車に入ると、荷物を後ろにエンジンをかける。
「じゃあ、飯、食いに行くか」
「うん。」
「腹減ったな」
「私も」
そんな他愛もない話をしながら車を出した。