甘い蜜
「あぁ」
俺は頷くとウエイトレスを呼んで注文した。
注文を聞いて厨房に行くウエイトレスを麻理亜は見つめる。
「そんな見つめても早くはこないぞ」
「いいの。楽しみ」
ニコニコしている麻理亜は本当にあの麻理亜だったのか。
今までの麻理亜が別人に思える。
―……でも俺はこっちが好きだな
「麻理亜」
「なに?」
麻理亜の目が俺を映す。
俺は、さっき店で買ったものをテーブルに置いて麻理亜の前に滑らせた。
「?」
「………プレゼント」