甘い蜜



――――――


何時もは温かいはずなのに、冷たさを感じた。


眠りの中にいた俺は、あまりの冷たさに目を覚ます。
ゆっくりと、隣にいるはずの麻理亜の温もりを求めるように腕を伸ばすが、腕には何も触れない。


冷たいシーツだけだった。


「……―麻理、亜?」


ハッと目を開いて上半身を起こす。隣を見ても麻理亜の姿はない。
温もりを感じられないから大分前に抜け出したことになる。


麻理亜……どこいった?


ベッドから抜け出して麻理亜を探す。風呂場にもトイレにも他の部屋にもいない。


< 73 / 458 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop