甘い蜜
――――――
何時もは温かいはずなのに、冷たさを感じた。
眠りの中にいた俺は、あまりの冷たさに目を覚ます。
ゆっくりと、隣にいるはずの麻理亜の温もりを求めるように腕を伸ばすが、腕には何も触れない。
冷たいシーツだけだった。
「……―麻理、亜?」
ハッと目を開いて上半身を起こす。隣を見ても麻理亜の姿はない。
温もりを感じられないから大分前に抜け出したことになる。
麻理亜……どこいった?
ベッドから抜け出して麻理亜を探す。風呂場にもトイレにも他の部屋にもいない。