チャリパイ13~ジョン・レノンの幻の楽譜~



「探偵?」


てぃーだが探偵をやっているなどと、涼風は今初めて聞いた。


「探偵というと、浮気調査とか、そんな事をやっているあの連中の事か?」


世の中の『探偵』に対する印象というのは、得てしてそんなものなのだろう。


『難事件を、冴えた推理で見事に解決に導く』
そんな探偵はTVや小説の世界で、実際の探偵は浮気調査に身上調査が主な仕事。


涼風もまた、世間同様の見識からそんな事を言ったのだろう。


「浮気調査って……
とんでもありませんよ!我が森永探偵事務所は、そんなチンケな探偵事務所とは違うんです!
今日だって、時価数十億はしようっていう『ジョン・レノンの幻の楽譜』を見つけ出す計画を立てていたんですからっ!」


そう言って、シチローが箸を振り回しながら、涼風の見解に猛反発する。


「レノンの楽譜?
……それは何やら面白そうな話だな。」


シチローが口にしたその話に、涼風が興味深そうに身を乗り出して来た。


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