チャリパイ13~ジョン・レノンの幻の楽譜~
「ジョン・レノンという人は、楽曲の才能は勿論の事だが、その楽曲に付ける詞の才能も実に素晴らしい。君達の言うその『幻の楽譜』とやらにも詞が付けられているのなら、是非とも見てみたいものだ」
ワイングラスをゆっくりと揺らしながら、涼風はそんな事を言った。
「だったら涼風さん♪
オイラ達と一緒にその楽譜を探しましょう♪」
シチローは、半ば冗談で言ったつもりだった。
……のだが……
「そうかぁ~シチロー君がそこまで言うのなら仕方が無い!私も忙しい身だが、君達の為に一肌脱いでやるとするか♪」
涼風は本気であった。
『幻の楽譜』というミステリアスな言葉の魔力に、気分は映画『インディ・ジョーンズ』のジョーンズ教授といったところか。
ロマンに満ち溢れた顔で、手に持ったワイングラスを高々と挙げて、それをうっとりと眺める。
その傍らで行われているひろき達の暴挙にも気付かずに……
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