チャリパイ13~ジョン・レノンの幻の楽譜~


新宿、カクテルBAR
『ドラゴンズ』…


たまには洒落たバーで飲むのも良いだろうと、森永探偵事務所の四人は、今夜久しぶりにこの店へと足を運ぶ事になった。


「久しぶりだな~この店も♪」


「ゆみちゃんまだバイトしてるのかしら♪」


アルカイナの『ドラゴンゆみ』は、夜この店でバーテンダーのアルバイトをしていて、シチロー達はゆみと面識があった。


しかし、それはバーテンダーとしてであり、この時まだシチロー達は、ゆみが尊南アルカイナのメンバーである事は知らない。


「さぁ♪気合い入れて飲むぞぉ~♪」


「ひろきが気合い入れて飲んだら、お店のお酒大丈夫かしら…」


てぃーだが冗談混じりにそんな心配をすると、「それは言えてる」とシチローと子豚が笑って賛同する。



♪カラン



ドアに付けられたベルを鳴らして店の中に入ると、カウンターの向こうには気だての良い髭のマスターとバーテンダーのゆみが、にこやかに微笑みを浮かべ立っていた。


「こんばんは~♪」


「これは『チャリパイ』の皆さん~お久しぶり~♪」


シチロー達はゆみの正体を知らないが、ゆみの方はシチロー達の素性を知っていた。


知っていて、なおかつ平然とした態度で四人と接しているところは、大胆不敵なネゴシエーターのゆみらしいところだ。


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