チャリパイ13~ジョン・レノンの幻の楽譜~



楽譜の話をしていたシチロー達の目が、驚いたように女の子に集中した。



「お絵描き帳~あたち持ってるよ~~♪」


「な~んだ♪チビちゃん持ってたの♪」


そう言って子豚が女の子の頭を優しく撫でる。



「なんだ……お絵描き帳の事か……びっくりした~」


女の子の『持ってる』という言葉に異常な反応をした事に、揃って苦笑いをする、シチロー達。


「ハハハハハハ……」



しかし、次の瞬間……



女の子からお絵描き帳を受け取った子豚が、何とも奇妙な事を言い出した。


「変わった『お絵描き帳』ね…これ……まるで、楽譜みたいじゃない…」


「それね~保育園の外でひろったんだよ~♪」


「ん?外で…?」


「拾った…?」


「楽譜みたいな…?」


「ノート…?」






「まさか…!」






「じゃあ~チビちゃん♪お姉ちゃんが『アンパンマン』を描いてあげる♪」




「わああああぁぁぁぁぁ~~~~~~~っ!
それ、ちょっと待って!コブちゃぁ~~~ん!」


得意顔でマジックのキャップを外し、挙げた子豚の右手に、まるで運動会の『棒倒し』のような勢いで全員が飛びついた!


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