チャリパイ13~ジョン・レノンの幻の楽譜~
襲撃
女の子の母親、朧 月夜が家に財布を取りに行ってシチロー達の所へ戻って来たのは、それから数十分経ってからの事だった。
朧は、シチロー達に深々と頭を下げると、娘の手を引き、買い物へと向かった。
「お母さん~見て~♪
おねぇちゃん達に買ってもらった新しいお絵描き帳だよ~♪」
「まぁ♪よかったわね~♪お姉さん達と、何のお話したの?」
「あのね~♪
今シーズンの中日は、戦力補強もあまりしなかったのに、しっかりAクラス入りができたんで、来年こそは絶対優勝して日本シリーズに出るんだって♪」
「何の話???」
去って行く母娘のそんな会話を聞いて、シチローが呆れたように呟く。
「誰だよ……子供相手にそんな話してんのは……」
「いやぁ~♪つい熱くなっちゃって♪」
屈託の無い笑顔でそんな事を言うのはもちろん、名古屋出身『熱狂的中日ドラゴンズファン』のゆみに決まっていた。
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