チャリパイ13~ジョン・レノンの幻の楽譜~



「え~と……この道がこれだから、次の信号を左折して……」


トラックの運転席には、まだ運転手が乗っていた。


その運転手。配送の途中で道に迷い、その場に停車して地図を見ていたのが運の尽きだった。



ガチャッ!



「ちょっと、そこどいて!オイラが運転するから!」


「うおっ!なんだ!アンタ誰なんだよ?」


突然ドアを開けられ、助手席に追いやられる運転手。


更に、トラックにはヘリからの容赦ない銃弾の嵐が浴びせられる。



DA DA DA DA DA DA!!!



「ぎゃああああ~っ!
なんだこりゃああ~っ!」


「ねっ、そういう訳だから!」


「何がそういう訳なんだよ!さっぱり訳わかんね~だろっ!」


有無を言わせず運転席を占領し、荷台に他の連中を乗せるシチロー。


「みんな早く乗って!
奴ら遠慮なくぶっ放してきやがる!」


白昼堂々のヘリによる襲撃に、事情を知らない運転手は青ざめた顔で喚き出す。


「テロだああっ!テロリストの東京襲撃だああ~~っ!!」





……いや…テロリストは、アンタのトラックの荷台に乗ってる奴らなんですけど……


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