チャリパイ13~ジョン・レノンの幻の楽譜~



「おや?ここは朝俺達が来た図書館だな…」


車から降りた羽毛田が、開口一番そう呟いた。


アルカイナの連中がビートルズの情報を得る為に最初に向かったのが、この図書館だった。


しかし、これといった有力な情報も得られずにただ大騒ぎをして、図書館の職員に睨まれながらこの場所を後にしたのである。


「ホラ!羽毛田、そんな所に突っ立ってないで運んで!運んで!」


書籍の束を載せた台車を押しながら、シチローが羽毛田を促すと、羽毛田はバツが悪そうに…


「なんだか入り辛いな……朝、ここに来た時には眼鏡を掛けた若い職員が迷惑そうな顔して睨んでたからなぁ~」


そんな羽毛田の話を聞いたシチローは、何かを思い出したように笑って言った。


「ハハハ♪
その、眼鏡の若い職員ってのはきっと『耕太君』だよ♪……確か、羽毛田もあの時一緒に居たんじゃなかったっけ♪」


詳しい事は、チャリパイシリーズの第九作目『恋のエンゼルパイ』を読んで貰えれば解るが、この図書館の職員である『山口耕太』とチャリパイのメンバーとは顔見知りの関係なのであった。


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