チャリパイ13~ジョン・レノンの幻の楽譜~
「楽譜を渡せば、チビちゃんを返すんだな!」
「勿論だ♪我々も、手荒なマネはしたくない♪」
「それじゃあ、まずチビちゃんを解放しろ!楽譜はすぐに渡す!」
「我々をナメてもらっては困るネ♪楽譜を渡すのが先だ。女の子はその後に返すネ♪」
「そんなの信用できるかっ!チビちゃんの解放が先だっ!」
「楽譜が先ネ!」
シチローとドボンのそんな問答がいつまでも続き、なかなか交渉がまとまらない。
そんな二人に、業を煮やしたてぃーだが一言。
「じゃあ!同時に交換すればいいでしょ!」
「よし!乗った!」
シチローとドボンが同時に叫ぶ。
まったく世話が焼ける…と、顔を歪めるてぃーだの提案で一旦は話がまとまったものの、隣のシチローと向こう側のジェームズ・ドボンはまだ疑わしい表情で互いを睨み付けていた。
「ところで、そのノート、本当に本物だろうな?」
「当たり前だろっ!そっちこそ、ちゃんと同時にチビちゃんを放すんだろうな!」
「当たり前ネ!……そっちこそ……」
「いや、そっちこそ……」
「シャラァ~~ップ!
お前らいい加減にせんかあああああ~~~っっ!!」
「わかりました…」
普段冷静なてぃーだが見た事も無い位にキレなければ、その問答は延々と続いていただろう。
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