チャリパイ13~ジョン・レノンの幻の楽譜~



「何考えてんだあああああ~~~っ!お前はあああああ~~~っ!」



顔を真っ赤にして怒り狂うジェームズ・ドボン。


しかし、それに対する涼風はいたって冷静だ。



「何、案ずる事は無い。なにしろそこに書かれているのは、日本を代表する黄昏の天才詩人
『涼風 拓』の傑作だ♪
レノンの曲と比べてみても、なんら見劣りするものでは無い!」



「…………………」



あまりにキッパリと言い張る涼風の堂々とした態度に、ドボンも呆れてそれ以上怒る気が失せてしまった。


「…とんでもない予想外の出来事だ……まさか、他には何も書いて無いだろうな……」


そう呟き、天を仰ぎながら右手で十字を切り、祈る様な気持ちで次のページを捲り始めるドボン。


お茶をこぼした染みに、音楽とは全く関係の無い日本語の詩…これ以上このノートに何か書かれていたとすれば、その価値はとても数十億の価値に見合うものでは無い。



それどころか、そんな物を本国の女王陛下に見せようものなら、たちまちドボンはMI6の職を解雇されてしまう事であろう。


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