チャリパイ13~ジョン・レノンの幻の楽譜~



『日本に存在したのは、ジョン・レノンの幻の楽譜では無く、実は未発表のデモテープだった!』


という、ドボンのその場凌ぎのアイデアが発案されてから、かれこれ30分ほどが経過していた。


倉庫には、録音機材や楽器が運び込まれ、着々と隠蔽工作の為のレコーディングの準備が整っていく。


やがて…その場所には、『金髪のロングヘアーに丸メガネ』の1人の男が颯爽と現れた。



「どうも~♪『ジョン・ラノン』です~♪」



周りの緊迫した雰囲気とは明らかに違う、まるで忘年会の出し物に芸でも披露しようかといったテンションで愛想笑いを振りまく『ジョン・ラノン』と名乗るその男。


その存在は明らかに浮いていた。


「MI6にも、いろんな奴がいるんだな…」


「いわゆる『長州小力』や『アントキノ猪木』みたいなものね…」


ジョン・レノンの楽譜を探す為に来日したドボンが、洒落のつもりで同行させたこの部下が、まさかこんな形で役立つとはきっと思いもよらなかったに違いない。


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