チャリパイ13~ジョン・レノンの幻の楽譜~



「感動したわ!」


「戦争反対~!」


「テロリストだけど、テロ反対~!」


そのレノンの意志を引き継ぐかのように、子豚やひろき、そしてゆみが涙目で声高々に世界の平和を訴えていた。




『音楽は世界を救う』




そんな言葉がぴったりとくる位に、その歌はそこに居る全ての人達の心にある願いを根着かせてしまったようだ。



   『平和』




それは、核兵器廃絶然り、民族間あるいは宗教間の争い然り、人類が長年の間切望しながらもなお叶えられずにいる永遠のテーマである。



「思えば、我々MI6も任務遂行の為、時には理不尽な作戦を選択する事もあったが、反省しなければならないな……こんな歌を聴かされてしまっては、コレはもう使う気にはなれない…」


懐から取り出した銃を見つめながら、そんな事を呟くドボン。



彼等もまた、この僅かな時間でレノンの作った歌により平和の大切さを心にしっかりと植え付けられてしまっていたのだった。


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