先輩&後輩
中に入ると、新入生や先輩が沢山いて、
溢れかえっていた。
(うわぁ、これじゃクラスがわからないよー)
一人で困惑していると、さっきの門にいた少年が話しかけてきた。
「どうした?」
「えっと、クラスがわからなくて、誰に聞けばいいのかもわかんなくて……」
少年に今の状態を伝えると、うんと頷いて、誰かの所に走っていった。
(いい人ー。タメかな?あたしより背が低いし)
なんて考えていると、いつのまにか目の前に戻ってきていた。
「名前、聞くの忘れてた。名前は?」
「あっ、風本瑠色です……」
「おっけ、瑠色な。」
少年は、名前だけ聞くとまた、走っていった。
(本当にいい人だな。)
瑠色は、少年を見ながらそっとありがとうを呟いた。
「おい!瑠色?一組だよ。」
「はいっ!ありがとうございます」
いつのまにか戻ってきていて、少しビックリしたため声が上擦った。
「ははっ、お前面白いな。気に入った!」
「どっどうも」
別に面白い要素なんてないけどななんて思いつつ、少年を見つめる。
「俺、二年の松川宏斗!よろしく瑠色」
「えっ?先輩だったんですか?」
全くもってタメにしか見えていなかった瑠色は驚きが隠せなかった。