先輩&後輩


「わくわくするねー」
「うん、楽しみ」

亜紀とはじまるのを待ちながら、準備しているのを見つめる。

「あれ、今朝の女の子だよね?」
「はい?あっ……」

入学式の前に松川先輩をひっぱっていった女の先輩がいた。

「さっきは、松川が絡んでごめんね。あいつ自分が小さいから、自分より大きいとあんな感じになるのよ」
「そうなんですか、不思議な人ですね」
「でしょ、あっあたしは福永愛梨、よろしくね」
「よろしくお願いします」
「じゃあ、ゆっくりみてってね」
「はい」

先輩が去り、再び準備を見ていると、遠くからのんびりとこっち側に歩いてくる人がいて
なんか、見覚えあるが見なかったことにした。

「可愛い先輩だね、知り合い?」
「うん、少しね」

亜紀は、へえという顔しながらも先輩たちを見つめる。
すると先ほどこっちにむかってきた人が、愛梨先輩と話していた。

「おーっす、遅れたー」
「おそいよー、松川!」
「日直してましたー」
「絶対、うそでしょ」
「とりま、荷物おいてくるわ」

そういって、愛梨先輩と話していた人がこちらに来て、
あたしと目があった。
瞬間……。


「あっ、でかいのだ」
「……なんですか、それ」
「んー、むかつくから」
「それ、やつあたりですよ」
「いいの、先輩だから」
「理不尽です……」

松川先輩は、ふんと笑うと、亜紀を見る。

「友達?」
「はい!」
「お前は、小さいから合格」
「なんですかそれ……」
「ん、俺の中で」
「やっぱ、理不尽……」
「ふふっ」

亜紀が笑って、あたしと先輩を交互に見ていた。

「こら!松川、練習始めるよ」
「へいへい」

先輩は、しゃあないといった顔をしながら、愛梨先輩たちのほうへ走って行った。

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