君と僕と
ちょっと長い四階の廊下
私たちのクラスがある階と、3年生がいる西館の屋上を繋ぐ渡り廊下
私は廊下が好きだ
だって遅く行けば、この特別な空間でずっと居られる気がするから
外からは野球部のバッティングをしている音や、吹奏楽部の楽器の音が聞こえる
「はい、優。ミルクティー」
「……ありがと」
憲斗のおごりで、ミルクティーを買ってきてもらった
まだ温かい
いや、ちょっと熱いくらい
憲斗はブラックコーヒー
私は飲んだことないけど、自販のは甘いらしい
プシッっと音させて、缶を開ける
ほんのり甘い匂いがして、私はゆっくりその匂いを吸った
「あの〜。ゴメンな、優。変なコトして」