チキン彼氏を救出せよ!!


「…渡部、絶っっ対勘違いしてるよね。
凪たちが変態みたいなことしてるって」


ニッコリ笑いながら坂城は楽しそうに言う。


…つーか
勘違いもなにも変態なのは事実だろーが。


「あたしの家はね、歌舞伎座なの。
んで、凪たちは歌舞伎役者なの。」


歌舞伎…
俺にとっては異次元な世界だ。


「歌舞伎と女装はどういう関係?」


そう聞くと何故か今度は宮間が爆笑。


「なっなんだよ!!」


坂城といい宮間といい、笑いすぎ!!


「ははっ…女装かぁ。
やっぱお前、俺のことそんなん思ってたんだ。」


「だって…」


「渡部、凪は歌舞伎役者だって言ったよね?」


坂城が確認するように俺に聞いた。


「………?
うん。」


「凪と、凪といつも一緒の由宇と、諒は、女形なの。
でも普段は男だからそれなりにかっこつけるじゃない?

したら女らしくしろって私の父さんがキレて。
凪たちは女装しなくちゃいけなくなったのよ。」


「ちょ、ちょっと待って。
なに、女形って?
女の役すんの?
そんなん女子がやれば良くね?」


坂城は、あぁそっか、と小さく頷いた。


「歌舞伎はね、女性は出られないの。
あれ、みんな男が芝居してんの。
だから女形が必要なのよ。」


…………まじで?



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