チキン彼氏を救出せよ!!


「…ごめん。
俺…坂城から事情聞いた。」


神田は屋上に着くと申し訳なさそうにそう言った。


「あぁ…そう。」


「…んでさ、お前、1人じゃ…あれだし。
俺も…やろっか?」


…今なんつった?


勢いよく神田を見る。


「アホか!
神田、お前、自分のことわかってねーの?
お前の場合、とんでもない数の女子がお前を好きで、それが一斉に敵に周るんだぞ。
お前、ぶりっ子恐怖症どころか人間不信になるだろーが!」


はぁっと、思わずため息をついてしまった。


「大丈夫。
俺は、女が苦手なんだよ。
元々、敵なんだ、きっと。」


神田はそう言って笑った。


…本当に、よくわからない、こいつは…。


「それにお前も、敵ばっかじゃない。
仕方ないことなんだから。

じゃなきゃこんなことしないだろ?」


「当たり前だろ。」


そう言うと、神田は、


「だって、碧。」


と言った。


…………碧?


屋上の、隅のほうから碧が出てきた。


碧は多分、ずっとここにいたんだ。



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