チキン彼氏を救出せよ!!
そして、半年後…。
「弘隆さん、今日はどうしますかね?」
嫌らしい笑みを浮かべたツナ(仮名)が言った。
「…今日の狙いは、コンビニだ。」
そこまで言うと、仲間達は楽しそうに笑い出す。
この頃の俺は、死んだような目をしていた。
好きでこんなこと、しているわけじゃない…。
すべては、莉央を救うため…。
という、くだりになるわけだが、ツナって勿論、アイツだよ、ア・イ・ツ。
「つーか…碧。
お前、もうちょっとまともな服ないのか。」
初めて変態デートを行ったときにツナ缶がプリントアウトされた服を着ていた碧。
あだ名がツナになるのも当然。
「じゃ、コンビニね♪」
そう言って女子と化した宮間はニッコリ笑った。
まぁ…パッと見、女子に見えるから、まだ助かるよな…。
宮間達は週一で、どこかに出かけ、一般の人にどれだけ女装がバレないかテストする必要があるらしい。
そのたびに彼氏役を引き受ける俺ら三人。
同じ高校の奴等からは勿論変態扱いされ、莉央からは……。
強烈なビンタを一発食らった。
挙句の果てには、
「莉央、毎日お前を呪ってるぞ。」
という碧の一言で、テンション下がりっぱなし。
てか、呪いって…。
恐すぎるだろ。