チキン彼氏を救出せよ!!


はぁ、とため息をついて、近所のコンビニに向かうために、歩き始める。

すると…

「おいっ!!
渡部弘隆!!」


と、毎度のごとく声を掛けてくるやつが、今日もいた。


「……蒔田…。」


振り返るとやはり蒔田だった。


蒔田は、超進学校のくそ真面目な生徒で、俺の事をキャバ嬢のようなケバい女を連れた、生意気なヤンキーだと思っている。


ヤンキーじゃないけど、いろいろ面白いから本当の事は言ってない。


「…暇だな、優等生くんはよ。」


ヤンキーになりきり、思いっきり舌打ちをする。


そんな俺をみて碧が必死に笑いを堪えていた。


「お…お前みたいな奴がいるから、地域の風紀が乱れるんだ!!
大体なんだ、その女は?」


と言って宮間を指差す蒔田。


宮間も悪ノリで蒔田に向かってウインク。


男だと知ってる俺はもう、面白くて仕方ない。


みるみる顔を真っ赤にする蒔田。
完全に宮間を女だと思っている。



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