チキン彼氏を救出せよ!!
成り行きのキューピッド
そんな幼馴染みの新しい一面を知った翌日。
「蒔田ー!!
おはよー!!」
誰かが後ろから大声で言った。
「あー…えっと、南野さん……。
オハヨウ……。」
なんでこんなに朝からテンション高いんだ南野莉子…。
「蒔田ってさー、変わった名字だよね!!」
ニコニコしながら南野莉子は話し続ける。
な…なんでこんなに、なれなれしいんだ?
「あぁ…まぁ、よく言われる。」
俺は自転車から降りて自転車を押しながら答える。
「蒔田…あたしと席近いよね!!」
「そうだね…」
「そういえば蒔田ってさー麻耶のこと好きなの?」
ズルッ
俺はびっくりして自転車と共に転んでしまった。
「な…」
「大丈夫?」
南野莉子は心配しながらも俺の倒した自転車を起こす。
俺は自力でなんとか起き上がる。
てゆーか、南野莉子、自分が原因だって気付いてないのか?
「平気。
ありがとう。」
俺はそう言って南野莉子をじっと見る。
「あー、なんでわかったかって?
だって蒔田、昨日一瞬だけ麻耶見たとき顔緩んでたから」
す…すごい。
エスパーか?
あー…拓斗もこれぐらい空気読めればな。