チキン彼氏を救出せよ!!


「ちなみにコレ、あたしの彼氏なんですね。」


追い討ちをかけるようで申し訳ないけど言うね。


コレ大事なことだからね。

黙り込んだお兄さんに大切な事だから2回言ってやろうか迷っていると、


「………彼氏…か。」


なぜか上の空な様子で呟くお兄さん。


…あたしなんか悪い事言ったかしら…?


「いいじゃないか…俺なんて…中学のときに弘隆に協力したらな…莉央にピー扱いされてな…周りの女子にキモがられてな…未だに彼女出来ないんだ……。」


(ピーに入るのは恐らく読者様のご想像どうりはしたない言葉ですから自重しますごめんなさい)


本気でヘコんでいるお兄さんに掛ける言葉も見つからない私と白石くん。


「………っていうかちょっと待って。
さっきの声白石に似てたけどもしかしてコレ…。」


チラッと鶏を見て、チラッとあたしを見るお兄さん。


「…白石だけど…。」


鶏である白石くんがボソッと呟くと、


「えーマジで!?
てかお前、なんで彼女出来てんだよ、しかも超可愛い子!!」


そう言って私の手から鶏を奪い取り乱すお兄さん。


てゆか、ちょいちょい、
お兄さん、
あたしのこと可愛いとか言わなかったか!?


めっさいい人やんかお兄さん!!っていう単純思考なあたし脳天気か。

彼氏が鶏でこんな脳天気であたし大丈夫か。


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