チキン彼氏を救出せよ!!
蒔田はあたしの顔を覗き込むと、ニヤッと笑った。
「南野さん、顔真っ赤じゃん
…可愛い。」
あたしは自分の顔がさらに真っ赤になっていくのを感じた。
蒔田って
もしかして
かるい!?
「ま、俺は南野さんに惚れてないから、諦めろ?」
ポンと肩を軽く叩いて蒔田は先に行ってしまった。
な…
「ふざけないで!!
蒔田那央!!」
あたしはあらんかぎりの大声で蒔田を呼んだ。
蒔田は当然びっくりした顔をしているけど、
周りの人間も驚いて一斉にあたしのほうを向いた。
幸いにも白石くんは既に下駄箱まで行っちゃってたので、この場にはいなかった。
「…あたしは、あんたなんて…
あんたなんてね…」
蒔田はなにかを察したのか、急に焦り出した。
「おい、南野莉子!!
みんないるから、押さえろ!!
さっきは悪かったから!!」
ふふふ…蒔田那央。
もう遅いんだってばよ。
「ピーがピーな人としか思ってないわーーーーーーー!!」
(※はしたない発言なので、ピーで伏せてあります。)