チキン彼氏を救出せよ!!
そう言い放った南野莉子は。
ばれたか…。
まぁいいや。
蒔田狙ってないし。
「蒔田?」
蒔田は呆れ顔だった。
「んあ?」
「このこと、白石君には言わないでよ?」
「どうしましょーかな。」
「行ったらあんたのこと、麻耶に言うからね。」
「あたしがなに?」
少し高いトーンの声が混じってきたので、あたしと蒔田は一瞬にして固まってしまった。
「あ…麻耶。
おはよう。」
あたしはゆっくり振り返って言った。
「おはよう。
で、なに?」
麻耶は明らかに不機嫌だ。
「坂城さん、おっはよー!!
いやぁ、いい天気だねー!!」
蒔田が妙なテンションで麻耶に話し掛ける。
ふーん…
好きな人には、テンション高いんだ?
「蒔田くん、おはよう。
で、あたしがなに?」
「麻耶が可愛いって話をしたら、蒔田が照れちゃって!!
あははっ!!」
我ながら、ナイス嘘。
笑い方引きつってるとか、気にしない方向で。
すると蒔田は目を見開いて驚いている。
「おまっ…」
「え?
なんで蒔田くんが照れるの?」
麻耶はさらに疑いの目を向ける。
蒔田は大きなため息をついた。
しまっ…たぁー………