チキン彼氏を救出せよ!!
「…どうかした?」
そんな修羅場にのこのこ現れたのは、
「…白石くん…」
…空気読もうよ白石くん。
てゆーか、白石くん、下駄箱行ったんじゃないっけ?
もーいいや。
考えんのめんどくさい。
「いや、坂城さんが泣き出しちゃってさ…」
おろおろしながら蒔田が言う。
うん。
あんたのせいでな。
「そうか…
坂城さん、大丈夫?」
白石くんが麻耶の顔を覗き込みながら言った。
う…羨ましい!!
白石くん、あんな優しいの?
もう、本物の王子様じゃない!!
あたしも泣きてーーーーーーー!!
「…うぅ…ひっく…しりゃいしくん…ありがひょう…」
手で涙を拭いながら麻耶が言う。
「…おいそこの蒔田。」
あたしは嫉妬によるイライラを蒔田にぶつけるつもりで蒔田を呼ぶ。
「なに南野さん。」
「てめぇさっさか告れよ。」
「なに言ってんですか。」
蒔田は冷静につっこむ。
「おめーが麻耶に告れば一件落着なんだよ。」
「友達をそんな面倒なもの扱いすんなや。」
「麻耶が面倒なんじゃなくて、お前の鈍さが面倒なんじゃい!!」
白石くんが首を傾げながらこちらを眺めている。
小声だから聞こえてないみたい。
なのでキャラ全開な南野莉子15歳。