チキン彼氏を救出せよ!!
まじ自分有り得ないよね。
怒鳴って告白とか。
もう、あたし死ねばいいのに。
100回ぐらい死ねばいいのに。
「……み…南野?」
蒔田が同情の目であたしを見る。
当然だよね
あたしの失恋は目に見えてるもんね。
でも蒔田に同情されるってどうなのって感じよね。
「うるさい蒔」
「南野さん!!」
急に白石くんがガバッと顔をあげてあたしを見た。
すごく綺麗な瞳。
吸い込まれそう…。
「……あ、の、
…………
俺と、付き合ってもいいですよ?」
「は?」
蒔田は予想外の展開に口をぽかんとあけていた。
「……え?
え、と、…白石くん?」
な…なななななにが起きた!?
誰か分かりやすく教えて!!
「…そういうことです。
ほら、立ち話ばかりしてるから、遅刻しそうじゃないですか。」
そう言って白石くんは自分の携帯のディスプレイを見せた。
「ゲッ28分だ!!」
そう言ってあたし以外はみんな走り出していなくなってしまった。
取り残されたあたしは。
「なんかよくわからないけど…
やったーーーーーーー!!」
1人無邪気に喜んだ。
そして、成り行きではあるがキューピッドになってくれた蒔田に感謝した。
…これからどんなことが起きるのかなんて、全く知らずに。