チキン彼氏を救出せよ!!
「あ、莉子…。」
麻耶がなにか言いたそうな顔をしている。
「…み…南野さん…。」
神田駿は青ざめた顔してザザッとあたしから遠ざかる。
な、なんだ?
「こ…これ以上近寄らないでくれ、頼む!!」
あたしと目を合わさないようそっぽを向きながら言う神田駿。
「なんで?」
「神田はぶりっ子恐怖症なんだよ。」
麻耶が困ったように言った。
ぶりっ子恐怖症?
…なんだそりゃ。
「ぶりっ子恐怖症ってなに?」
そう聞くと麻耶は少し顔をしかめた。
「うーん…私が説明していいの?神田。」
麻耶の言葉に神田駿は激しく首を縦にふった。
「中学のときの話なんだけどね……」
そう言って麻耶は中学時代を語り出した。