チキン彼氏を救出せよ!!


それは彼が中学2年生だったころの話である。


当時の彼は今と同様、アホみたいに爽やかだった。


当然、モテまくりであったわけだが、それまでは無邪気に告白されるぐらいで、とくに彼に害があるわけではなかったのだ。


しかし、中学2年生になるとともに、彼の中学では急激にカップルが増え出した。


それと共に、彼に告白する女子も一気に増えてしまった。


「はぁ……」


「どーしたの神田。」


たまたま同じクラスで隣りの席になった私は珍しく暗い神田に聞いた。


ちなみに私と神田は小学校も一緒な幼馴染みなので別に初対面ではない。


「…坂城、お…俺は、そんなにいいのか?」


頭を抱えうなだれながら神田は言った。


「は?」


「いや…別にナルシストなつもりはないんだけど…2年になってから毎日朝、昼休み、放課後すべて女に呼び出され…告白されるんだ俺は………。
しかも、なんか…上目づかいとかで…。」


なんか…可哀相…。


「…神田が少女漫画に出て来るようなルックスと性格だからじゃない?」


すると神田はガバッと顔をあげ私を見た。


「なっ…じゃあ、坂城も…俺に告白するつもり!?」


「んなわけないでしょ。」


「なんだ…よかった。」


そう言って心の底からホッとする神田。


好きじゃないって言われて安心するなんて……

相当病んでるわ、神田。



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