チキン彼氏を救出せよ!!
「神田くん。」
あたしは神田くんの近くにより、小声で呼び掛けた。
「なに?」
神田くんは空気を読んで小声で聞き返してきた。
「あのさ…中学のときの麻耶ってどんな感じだったの?」
そう聞くと、
あー、と納得したような声を漏らす神田くん。
「今の状態で中学の話聞けば確かに不思議だよな。」
「そうそう、だから教えて?」
「おっけー、えーっと…坂城はね…」
神田くんが言いかけたその時だった。
キーンコーンカーンコーン♪
タイミングよすぎじゃないかチャイム。
あたしは仕方ないので後ろにあるあの席へ戻ろうとした。
「南野さん。」
不意に後ろから神田くんがあたしを呼んだ。
「また後で教えるね。」
そう言って最初に話したときのように爽やかに笑う。
…ぶりっ子恐怖症だろうがなんだろうが、やっぱり神田くんは爽やかだわ。
こりゃぶりっ子したくもなるよね。
とか少し見ず知らずのユリに同情してしまうあたしがいた。