チキン彼氏を救出せよ!!
席に戻ると、相変わらず蒔田とわたあめが仲良く話していた。
そこに乱入する気はさらさらなかったあたしは大人しく携帯をいじって先生を待つことにした。
すると、
「南野さん。」
そう低い声で呼ばれた。
この低い声は…
「…白石くん。」
振り返るとやっぱりそこには白石くんが立っていた。
一応彼氏彼女なんだけどね、こうみえて。
「どーしたの?」
と、あたしが聞くと白石くんは、
「…特に用はないんだけど…。」
と、もじもじしながら答えた。
ん?
用ないの?
ってことは…
「あたしと話したかったの?」
そう言うと白石くんは小さく頷いた。
なんか……
可愛いぞ白石くんー!!
「ふーん、拓斗もたまには積極的じゃん。」
いつの間にかあたし達の会話を聞いていたらしい蒔田が白石くんに言った。
「ちょっ…蒔田入ってくんな!!」
あたしは嫌な顔して言った。
「まぁまぁいーじゃん南野。」
なんてヘラヘラしながら言う蒔田。
せっかく2人で話せるチャンスだったのに…
あーあ…。