チキン彼氏を救出せよ!!
「ほんとに黙れ蒔」
「おーい席着けー!!」
技術担当であるこのクラスの担任が大声で叫んだ。
……担任、
空気読んで。
担任を見て白石くんは自分の席へ戻っていった。
あぁあぁ…
せっかく白石くんと話してたのに…
「蒔田くん。」
あたしは最高に引きつった笑顔で呼んだ。
その笑顔の裏には、
蒔田お前なんてことしてくれたんだ。ぶっとばすゾ
なーんて言葉が隠されている。
やだあたしったらぶっとばすだなんて
お茶目なんだから★
「なに?」
蒔田は普通に答えた。
…おかしくな。
こんなに殺気出てるのに。
「…なに、じゃないよね?」
あたしは段々声のトーンを下げて言う。
「ってかなんか…南野…」
蒔田は殺気に気付いたのかちょっと引き気味に言った。
「…その顔キモいよ。」
……女子に向かって、
この男は……!!
つーか、殺気に気付け!!
ドカッ
「がふっ…!!」
あたしが机の下で蒔田の足を思いっきり蹴飛ばしていたのはもはや言うまでもない。