チキン彼氏を救出せよ!!
その頃そんなことは全く知らない南野莉子は。
「はひー、ふー、へー…」
あたしは走り疲れて教室の前で息を整えていた。
「ほ?」
そう言いながらあたしの前に1人の女の子がやってきた。
「ほ…?」
なんだ?
新しい掛け声なのか?
「は・ひ・ふ・へ…の次は、ほ、じゃない。」
そう言って女の子はニコリと笑う。
あー…あたしが変な息の整えかたしてたからか。
「私、坂城 麻耶(サカキ マヤ)!!
私も4組なの。
よろしくね。」
そう言ってあたしに手を差し延べる。
ニコニコしながら。
なんか…女の子って感じで可愛い子だな。
「よろしくね。
あたしは、南野莉子。」
そう言いながらその子の手をとる。
「莉子ちゃん…でいいの?」
「え?
普通に莉子でいいよ?
あたしも麻耶って呼ぶ予定だし。」
すると麻耶は嬉しそうに笑った。
「わかった、莉子って呼ぶね!」
「あ、麻耶。」
「うん?」
「手、貸して。
あたし、疲れて自力で立てない…。」
麻耶は嫌がることもなくあたしを教室まで引っ張ってくれた。