チキン彼氏を救出せよ!!
「………は?」
なんだ?
いきなり。
嫌に決まってるだろ。
「まぁ焦らなくてもいーよ。
直に仲間にならなきゃいけなくなるんだから…な。」
意味深な微笑みを浮かべながら男は俺の元を去った。
「なんだよ…。」
「おーす、ヒロ。
なに朝から面白い顔してんだよっ!」
そう言ってチョップをしながら笑うのは、
「…碧…、
お前、朝からテンション高いな…。」
赤井 碧(アカイ リク)。
俺の親友。
ついでに莉央と碧は双子の兄妹である。
「なんだよ、朝早くから莉央と通学してきたんだろー?
それでテンション低いとか…あ、お前、まさか、喧嘩したか!?
なんなら莉央の兄である俺が仲介してやってもいいぞ?」
なんて勝手な妄想をしながらしゃべり続ける碧。
「お前、妄想しすぎ。
莉央と喧嘩するわけないだろ。」
「じゃあなにさ。」
「いや…なんか、あいつに絡まれたから…。」
そう言ってさっきの男を指差す。