チキン彼氏を救出せよ!!


「…え、てか、なんで俺の名前知ってんの?」


そう聞くと坂城は首を傾げた。


「なんでって…渡部、目立つじゃん。
去年の体育祭1年で副団だったし。」


あー…そう言えばやったな、そんなこと。


「ちなみに君も知ってる。
赤井碧。」


突然名前を呼ばれた碧は、ピクッと小さく肩を揺らした。


「え…?
俺のこと、知ってるんすか?」


「うん。
教室で調子乗ってバク転したら骨折した人でしょ?」

ニヤッと笑いながら坂城は言った。


そういえばそんなことあったな…。


思わず思い出し笑いしてしまった。


「そこー!!
思い出して笑うな!!」


碧が顔を真っ赤にして俺に怒ってる。


「笑っちゃうでしょ、あんなアホな出来事あったらさぁ。」


呆れたように笑う坂城。


俺はふと、自分達の周りにいる女子の視線を感じた。


なんか…ひそひそ話してるし…感じ悪ぃな…。


「……まただよ、坂城。」


「出た、男好き。」


「初日から凄いねー、ムードメーカーな赤井くんにイケメン渡部くん。
さすがたらしだわ。」


てか、ひそひそ話なのに丸聞こえなんだけど。


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