チキン彼氏を救出せよ!!
「まぁ、とりあえず
俺と語ろうじゃないか!
なぁ!」
神田は楽しそうに笑う反面強引に俺を廊下に連れ出す。
「おい…」
廊下に出て神田は俺と向き合う。
さっきまでヘラヘラしてたのに、物凄くまじめな顔をしていた。
「…あのさ、坂城のことは、あんまり…その…ごたごたをおこさないでくれないかな。」
神田は少し困った顔をしながらも俺に言った。
「は?
お前、なに言って…」
「いや、俺もね?
君みたいに止めようとしたこともあるんだよ。
でも、俺が止めるとなんでかもっと酷いことされてるらしいんだよ。
だからさ、君が止めたらもっと酷いことされるわけ。
それだと、意味ないでしょ?」
…なるほど…。
女子は、どんな男とも仲良くなる坂城を逆恨みしてるってわけか。
つーか…
なんでか酷いことされるって
コイツ、まさか女子の裏知らなかったりして。
「…神田。」
急に名前を呼ばれた神田は少し驚いたように俺を見る。
「なに?」
「お前、女子が2種類の声を持ってるの知ってる?」
「………え?」
神田の頭にはクエスチョンマークが浮かんでいた。
…やっぱり…。
コイツ、ぶりっ子とか分かんねーピュアボーイだ。
どーりでこんな意味分からんお願いをするわけだ。