チキン彼氏を救出せよ!!


「まぁ、とりあえず
俺と語ろうじゃないか!
なぁ!」


神田は楽しそうに笑う反面強引に俺を廊下に連れ出す。


「おい…」


廊下に出て神田は俺と向き合う。


さっきまでヘラヘラしてたのに、物凄くまじめな顔をしていた。


「…あのさ、坂城のことは、あんまり…その…ごたごたをおこさないでくれないかな。」


神田は少し困った顔をしながらも俺に言った。


「は?
お前、なに言って…」


「いや、俺もね?
君みたいに止めようとしたこともあるんだよ。
でも、俺が止めるとなんでかもっと酷いことされてるらしいんだよ。
だからさ、君が止めたらもっと酷いことされるわけ。
それだと、意味ないでしょ?」


…なるほど…。
女子は、どんな男とも仲良くなる坂城を逆恨みしてるってわけか。


つーか…
なんでか酷いことされるって
コイツ、まさか女子の裏知らなかったりして。


「…神田。」


急に名前を呼ばれた神田は少し驚いたように俺を見る。


「なに?」


「お前、女子が2種類の声を持ってるの知ってる?」


「………え?」


神田の頭にはクエスチョンマークが浮かんでいた。


…やっぱり…。
コイツ、ぶりっ子とか分かんねーピュアボーイだ。


どーりでこんな意味分からんお願いをするわけだ。



< 57 / 131 >

この作品をシェア

pagetop