チキン彼氏を救出せよ!!
「坂城が男ったらしとか?
よく言うよな。
そーゆーことしてて楽しいの?
お前ら。」
俺はわざとその女子ではなく周りにいる女子を見回す。
そこには、気まずそうに俯く女子達。
「べ…別にあんたには関係ないでしょ!
男のくせに、うるさい!」
みんなの様子を見て焦ったのか、その女子は俺に向かって怒鳴り散らす。
「男のくせにって…
女子が注意しねーから、俺ら男が注意するんじゃねーの?」
と言うと、その女子は黙りこくった。
つーか、その女子ってややこしいし言いづらいんだけど。
名前聞こう、名前。
「…お前、名前なんつーの?」
「…小田切 悠梨(オダギリ ユリ)。」
小田切は吐き捨てるように言う。
「小田切ねー。
じゃあもう、坂城の悪口はやめろよ。
次言ったら小田切の本性を神田に教えるからな」
俺は得意になって小田切にそう言って坂城を探しに言った。
「なによ、あいつ。
偉そうに…。」
俺はまだ、女子の本当の怖さを知らなかった。